公益財団法人 福島県産業振興センター

福島県事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継について 背景

事業承継支援とは

事業承継問題に悩みを抱える中小企業経営者・個人事業主からの相談を受け、円滑な事業承継の実現に向けてお手伝いをいたします。

一般的に事業承継とは、親族や役員・従業員などの後継者に事業を引継ぐことを言います。これを親族内承継、役員・従業員承継と言います。
一方、後継者がおらず事業承継ができない場合があります。この場合には、同業者など他の事業者に事業を売却して、事業を引継ぐことができます。これをM&A(エムアンドエー)と言います。
親族内承継、役員・従業員承継では、後継者の育成も考えるとその準備には5年~12年ほどかかると言われており計画的な対応が必要となります。
またM&Aでは、事業を引継いでくれる事業者を見つけることは容易ではありませんし、その実務も複雑です。
このように事業承継には様々な準備や課題が伴いますので早めの対応が必要です。
福島県事業承継・引継ぎ支援センターでは、皆さまの事業承継が円滑に進められるよう専門家がお手伝いします。

後継者問題は「今」!!

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「まだまだ先のことだから」「今は忙しくて考えていられない」「そのうち何とかなるさ」と事業承継と向き合うことを先送りしていませんか?
会社の大きな転機となる事業承継は、早めの準備、計画的な取組みが成功につながります。
後継者を探す、後継者を教育する、または事業の引継ぎ先を探すなどの事業承継の準備はとても時間がかかります。さらにこの準備が遅れるほど希望に見合った後継者を見つけることが難しくなります。
事業承継の準備を早めに検討することにより、余裕を持って準備を進められますし、ベストなタイミングで事業の引継ぎを選択することもできます。

多くの構成機関と幅広い連携をしています。

当センターは、地域の商工会議所、商工会、金融機関、士業団体・商工団体、公的機関などと幅広く連携体制を取っています。これらの構成機関を通して相談の申込みをしたり、事業承継に関する支援を受けたりすることも可能です。皆さまの顔なじみの構成機関を通して、お気軽にお声かけください。


事業承継の現状

福島県 後継者不在率と社長年齢の推移

・福島県の後継者不在率は、全国の推移と同様に2019年をピークに減少に転じており良化の方向にあります。

・しかし、社長の平均年齢は2000年以降上昇を続けており、事業承継への準備がされておらず、廃業件数の増加も勘案すると、取り組みの二極化傾向が垣間見えます。

後継者不在率の推移

後継者不在率の推移

帝国データバンク 全国企業後継者不在率動向調査2022より再編

福島県社長の平均年齢

福島県社長の平均年齢

帝国データバンク 福島県社長年齢分析より再編



福島県の事業所数、従業者数の推移

・福島県の事業所数、従業者数は、単純比較はできないものの減少基調で推移しており、業種により大きく偏りがみられます。

福島県民営事業所数と従業者数の推移

福島県民営事業所数と従業者数の推移

業種別事業者数の増減

業種別事業者数の増減

出所 経済産業省・総務省 経済センサスー活動調査
令和3年の調査方法は平成28年以前の調査方法と異なる(注)ため、単純に比較はできない。参考としての数値。
(注 令和3年調査は国税庁法人番号公表サイトを活用し、これまで把握が困難であった事業所を加えて調査を行っている)

事業承継 3つの「かたち」と特徴


事業承継には、3つの方法があり、それぞれ特徴があります。

親族への承継

親族内承継は、現経営者の子息・子女が後継者となるケースのほか、甥や娘婿が後継者となるケースもあります。

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メリット

  • 一般的に社内外の関係者から心情的に受け入れられやすい。
  • 後継者を早期に決めて準備期間を確保しやすい。
  • 相続により財産権の承継が可能なので低コストでスムーズ。

デメリット

  • 親族内に経営能力と意欲のある適任者がいるとは限らない。
  • 株主が複数の場合、株式と経営権の集中が困難な場合がある。
  • 近年は家業を継ぎたがらないケースがある。

役員・従業員への承継

親族内に後継者がいない場合などは、事業や業務をよく理解している役員や従業員が後継者となる場合も多く見られます。

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メリット

  • 親族内に後継者がいない場合でも、業務知識は十分であり、比較的早く決めやすい。
  • 他の従業員の理解も得やすい。

デメリット

  • 他の親族から理解を得にくい場合がある。
  • 株式取得の資金確保が難しい。
  • 経営者保証がある場合は、家族から引継ぎの了解が得にくい。

第三者承継

親族や従業員など身近に後継者がいない場合は、いわゆるM&A(エムアンドエー)と言われる第三者に会社や事業を譲る方法があります。

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メリット

  • 後継者として適任者がいない場合でも、候補者を広く外部に求めることができる。
  • 現経営者が会社売却の利益を獲得できる。

デメリット

  • 希望通りの条件を満たす譲渡先を見つけるのが難しい。
  • 仲介会社への手数料の負担が必要となる場合がある。

M&Aにおける事業価値・企業価値の考え方

価値の考え方

・M&Aにおいては、長年手塩にかけて育成、成長させてきた企業や事業を売却するわけですから、売却金額がどの位かというのは、心情的にも大事な問題です。

・M&Aは、当事者間における任意での経済取引になりますので、一般的には当事者が合意した金額が適正価格(フェアバリュー)となりますが、実際は、時代の背景、地域性、業種的特性、交渉力、タイミング、競合先の有無、と色々な要素が噛み合って増減していくのが通常です。

・結論としては、絶対的な価格算出方法は無いと言えますし、また古いものだから価値が無いとも言い切れず、あくまで当事者間の話し合いにより決まっていくものです。

評価方法の例

・とは言っても、売り手も買い手も多くの方は初めての経験であり、何らかの道標が無くては判断できないのも事実です。  

・企業価値の算出方法には複数の理論的評価手法があり、絶対的なものはありません。一般的に中小企業は、純資産価格をベースにする場合が事例として多く、下記の指標が使われます。

企業評価額 = 時価純資産額 + 営業権(のれん代)

*時価純資産額は、貸借対照表上の資産額と負債額を時価に修正した純資産額を言います。


営業権(のれん代)= 実質利益 × 評価倍率

*評価倍率は1~3倍が多いようです。

大事なこと

・M&Aで最も大事なことは、いかに高い金額で売買するかではなく、後継者のいない事業をいかにスムーズに引継いでいくかということです。

・地域への影響や、サプライチェーンへの影響、働く従業員への影響を極小化しつつ、事業の健全な拡大・育成に向けて、福島県事業承継・引継ぎ支援センターは皆さまを支援してまいります。

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