| 経済企画庁は12月の月例報告で、96年 2 月報告以来続けてきた「回復基調」を削除し、「景気は足踏み状態にある」との認識だけを盛り込んだ。具体的には、11月の経済報告では「景気の回復基調は失われていない」としていたが、今回の12月報告では、「回復」の部分を削り「民間金融機関の貸し出し態度に慎重さが見られる。家計や企業の景況感には厳しさが増しており、個人消費や設備投資にも影響を及ぼしている可能性がある」との表現を追加している。 このような背景のもと、県内中小企業の経営者は足元の景気をどのように判断しているのだろうか。平成10年上半期( 1 月〜 6 月)の経営環境予測調査の結果がまとまったので以下の通り報告する。 |
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平成10年上半期(
1 月〜 6 月)の自社の経営環境の見通しは、全産業で見ると「良くなる」0.5%「ややよくなる」6.3%となり、合わせても良化予測は 1 割にも満たない。前回調査(
9 年 6 月)時の良化予測25.3%と比べ18.5ポイントの減少となり、しかも「悪くなる」「やや悪くなる」とする悪化予測は62.6%と 6 割を超え、前回(30.9%)の倍以上の数字となり非常に厳しい見通しとなった。(図ー
2 )これを自社の属する業界でみると、良化予測は全体で1.9%と非常に低い数字となった。これに対し悪化予測は71.4%となっており、自社の経営環境見通しよりさらに厳しい予測となっている。 |
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自社の経営環境見通しを業種別にみると、「良くなる」「やや良くなる」を合わせた良化予測は、製造業で6.6%、非製造業は6.9%といずれも
6 %台の非常に低い数字となった。一方、「悪くなる」「やや悪くなる」を合わせた悪化予測は、製造業60.7%、非製造業64.2%といずれも60%を超えた。これを前回調査と比べてみると、良化予測は製造業で28.2%から6.6%へ、非製造業では22.4%から6.9%へと大幅な減少となり、一方、悪化予測は、製造業は25.2%から60.7%へ、非製造業は36.8%から64.2%へと下落幅でみると製造業では50ポイント以上となった。製造業のうち、良化予測が20%を超えるのは精密機器のみで、これに対し悪化予測をみると、繊維・衣服の84.2%をはじめとして食料品の76.0%、木材・木製品・家具、鉄鋼・金属、その他製造業では60%台となっている。 非製造業でも同じ傾向となっており、建設業の悪化予測は78.9%、このほか卸売業、小売業も60%台と、いずれの業種も過半数を超える企業で10年上半期は 9 年下半期に比べ悪化すると見通している。(図ー3) 自社の属する業界の経営環境は自社の見通しよりさらに厳しいものとなっている。良化すると予測する企業は製造業で 2 社、非製造業では 6 社のみ。悪化予測は製造業では食料品88.0%、繊維・衣服84.2%、非製造業では建設業で94.3%などとなっており、これらの業界ではほとんどの企業で悪化を予想していると言えよう。 |
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経営環境に変化を及ぼす要因は、前回調査時まで常にトップだった「競争の激化」に代わって「需要の停滞」をあげる企業が最も多く7割を超えた(70.5%)。次いで「販売・受注量の減少」(58.5%)、「競争の激化」(56.2%)となっており、この
3 つが景気停滞の大きな要因と言え、ことに「全体的な需要の停滞」が景気回復の足を引っ張っている。この 3 つの要因に続いては「取引条件の悪化」(18.3%)、「人件費、原材料費等の上昇」(15.5%)、「ニーズの変化」(14.5%)の順。前回に比べ「ニーズの変化」は10ポイントの減少となり、いずれも10%台となった。また、同じく10%台に「金融機関の融資姿勢」(12.6%)や「消費税のアップ」(10.8%)があげられている。(図ー4) 経営環境変化の要因として、繊維・衣服では「需要の停滞」(84.2%)を、鉄鋼・金属では「販売・受注量の減少」(80.0%)を、建設業では「競争の激化」(84.6%)をそれぞれ 8 割以上の企業があげており、各業界の特徴がうかがわれる。 |