センターレポート

労働力の過剰感幾分薄らぐ

初任給額は大卒・高卒とも前年並み
【新卒者の採用および初任給調査】

2000.1月調査


 今春卒業予定で就職を希望している全国の四年生大学生の内定率(昨年12月1日時点)は74.5%、短大生は46.8%、高校生(同11月末時点)は67.3%と同時期としてはいずれも調査開始以来の最低となっている。長引く不況を背景に企業が新規採用を控えた結果、初めて大学生の内定率が 8 割を割り込んだ。就職未内定者は大学生94,000人、短大生73,000人、高校生74,000人、合わせて約241,000人に上る。
 福島県の求人倍率は、新規で0.84倍(季節調整値)、月間有効で0.52倍(同)と低迷を続けている。このような厳しい雇用環境の中で、県内の中小企業の労働力について、過不足状況及び12年度の新卒者の採用見通しのアンケート調査を実施した。
 また、県の職業安定課及び公共職業安定所調べによる平成12年3月卒業者対象求人情報に基づき、企業での求人の際の参考となるよう初任給額を当センターにて集計した。

業種別内訳調査概要

◇新卒者の採用に関する調査
 (対  象)県内中小企業 1,000社
 (回  答)回答企業数 449社
       回 収 率 44.9%
 (調査時期)平成12年1月
 (調査方法)郵送によるアンケート調査
◇初任給調査
 公共職業安定所(大学卒は平成11年10月31日現在での求人情報、高校卒については7月9日現在の求人一覧表)に提出された求人票より984件を抽出集計。



 労働力の過不足状況
労働力の過不足状況の現状を見ると、「過剰」とした企業は19.2%と前回調査(平成11年1月)と比べて9.0ポイント減少、「不足」とする企業は同3.9ポイント増えて13.2%、「適正」とする企業割合が67.6%とほぼ適正水準に近づきつつある。(図−1)
 そこで、「過剰」「不足」と回答した企業に、現在の労働力を100%とした場合どの程度の「過剰」または「不足」となっているかをたずねた。「過 剰」と回答した企業では「5〜10%未満」が46.0%とほぼ半数近くを占め、次いで「10〜20%未満」が26.4%となった。また、20%以上の過剰と回答した企業も18.4%と2割近くある。(図−2)
 一方、「不足」と回答した企業では「5〜10%未満」と「10〜20%未満」がそれぞれ31.0%、20%未満で9割を超え、不足の度合は割合低い。しかし一部企業においては20%以上の労働力不足となっている。(図−3)

図1.図2.図3



 労働力の過不足部門
 労働力の「過剰」及び「不足」が生じているのはどの部門であろうか。「過剰」とした企業では「生産部門」が62.5%と最も多い。次いで「事務処理部門」(28.4%)、「管理部門」(25.0%)、「営業・販売部門」(19.4%)と続いている(図−4)。これを前回調査と比べると、過剰感がやや強まった部門は「事務処理部門」と「生産技術部門」で、そのほかの部門は多少なりとも過剰感は弱まっている。  一方、「不足」とした企業の中でも不足感の強い部門は「営業・販売部門」と「生産部門」でともに41.4%、次いで「生産技術部門」となっている(図−5)。これを前回調査と比べて不足感の強まっている部門は「生産技術部門」と「輸送部門」、これに対し不足感が弱まった部門としては「営業・販売部門」「情報処理部門」「研究開発・設計部門」となった。
 生産部門は「過剰」62.5%、「不足」41.4%といずれもトップ。業種間、企業間でばらつきがでている

図-4.図-5