センターレポート

景気回復へ一歩前進
製造業での良化予測は38.5%
【平成12年下半期経営環境予測調査】

2000.6月調査


 経済企画庁は6月の月例経済報告で「景気は厳しい状況をなお脱していないが、緩やかな改善が続いている。各種の政策効果やアジア経済の回復などの影響に加え、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが徐々に強まってきている。」と2ヶ月連続で上方修正している。このような背景のもと、県内の中小企業の経営者は足元の景気をどのように判断しているのだろうか。平成12年下半期(7 月〜12月)の経営環境予測調査の結果がまとまったので以下の通り報告する。

調査概要

(対象)県内中小企業 1,000社
(回答状況)      412社
(回収率)       41.2%
(調査時期)   平成12年6月

図-1調査企業概要


 経営環境予測
図2経営環境予測結果推移 平成12年下半期(7月〜12月)の自社の経営環境の見通しは、全産業でみると「良くなる」2.9%、「やや良くなる」22.1%となり、これを合わせた良化予測は25.0%。前回調査時(11年12月)の良化予測17.6%に比べ7.4ポイント改善し、回答企業の4社中1社は良化見通しとなった。
 一方、「悪くなる」「やや悪くなる」とする悪化予測を合わせると29.6%、前回調査時(37.0%)より7.4ポイント減少、良化予測と合わせると15ポイント近くの大幅な改善となり、まだ若干悪化予測が良化見通しを上回るものの、景気回復に向けて大きく一歩踏み出したといえよう。
 これを自社の属する業界でみると、良化予測は17.5%、悪化予測は35.5%となり、自社の経営環境見通しより厳しい見通しとなっている。しかし、前回調査時の11.6%、43.3%に比べるといずれも良化している。


 業種別経営環境予測
図-3平成11年下半期業種別経営環境予測 自社の経営環境見通しを業種別にみると、「良くなる」「やや良くなる」を合わせた良化予測は、製造業では38.5%、非製造業では21.4%となった。これに対し、「悪くなる」「やや悪くなる」をあわせた悪化予測は、製造業では23.7%、非製造業では35.6%となり、製造業では良くなると見通す企業が悪くなると見通す企業を約15ポイント上回った。一方、非製造業では悪くなると見通す企業が上回っており非製造業での改善が今後の鍵を握るといえよう。
 業種別に経営環境の見通しをみると、良化予測が悪化予測を上回った業種は製造業で食料品、電気機器、一般機械、精密機器、輸送用機器の5業種、なかでも電気機器、輸送用機器では良化を予測する企業割合が5割を超え、景気の牽引役となると思われる。しかし、非製造業では良化予測が悪化予測を上回った業種はなく、各業種とも10%台から20%台の良化予測にとどまった。
 これに対して悪化予測をみると、製造業では繊維・衣服、鉄鋼・金属では4割以上の企業が悪化見通しとなっており、業種間の格差もみられている。また、非製造業では、建設業での悪化予測は6割近くになっており厳しい経営環境が予測される。(図−3)
 自社の属する業界の経営環境は自社の見通しに比べ厳しい予測となった。自社の見通しに比べ良化予測企業割合は7.6ポイント少なく、悪化予測企業割合は6.1ポイント多い。


 経営環境変化の要因
図4経営環境変化要因 経営環境に変化を及ぼす要因(回答数3つ以内)は、「競争の激化」「需要の停滞」「販売(受注)量の減少」が引き続き柱となっている。しかし前回調査までの1位と2位が入れ替わり、「競争の激化」がより強くなっていることに今回の特徴がみられる。この3つの要因に続いてあげられたのが「販売(受注)単価の低下」で、これは調査のたびに回答企業割合が増加、前回までの20%台から10ポイント以上増加し4割の企業が指摘している。受注単価・販売単価の低下は企業の収益環境に大きく影響し、景気の回復感を遅らせているものと思われる。このほかの要因としては、「取引条件の悪化」「ニーズの変化」「金融機関の融資姿勢」「人件費・原材料費の上昇」などがあげられている。(図−4)
 業種別に特徴的な要因をみると、製造業の食料品では「競争の激化」(69.2%)「需要の停滞」(57.7%)の2項目をあげる企業が多く、繊維・衣服では「需要の停滞」(63.2%)と「販売・受注量の減少」、鉄鋼・金属は「競争の激化」「販売・受注量の減少」に加え「販売単価の低下」が3本柱。非製造業では、建設業で「競争の激化」(86.0%)と「販売・受注量の減少」(77.2%)の2項目に集中、下半期の経営環境予測と併せて厳しい業界事情が窺われる。また、小売業では「競争の激化」「需要の停滞」「販売量の減少」の3本柱に合わせて、「ニーズの変化」「立地環境の変化」があげられた。