センターレポート

労働力の過剰感弱まるも
業種間・企業間でバラツキ

 初任給額は大卒・高卒ともに減少
−新卒者の採用および初任給調査−

2001.1月調査


 文部科学、厚生労働両省の調査によると、今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日時点)は75.2%、短大生(女子のみ)は48.5%、高校生(昨年11月末時点)は68.9%といずれも過去最低となった昨年の同期をわずかながらも上回り、改善の兆しが出てきている。とはいえ、調査時点での就職未内定者は大学生94,000人、短大生63,000人、高校生70,000人と推計されており厳しい状況は解消されていない。福島県の求人倍率は昨年11月時点で、新規で1.30倍(季節調整値)、月間有効で0.73倍(同)と前年同期をいずれも上回り改善傾向にある。このような雇用環境の中で、県内の中小企業の労働力について、過不足状況および13年度の新卒者の採用見通しのアンケート調査を実施した。
 また、福島労働局職業安定部および公共職業安定所調べによる平成13年3月卒業者対象求人情報に基づき、企業での求人の際の参考となるよう初任給額を当センターにて集計した。その結果を以下に報告したい。

調査概要

1.新卒者の採用に関する調査
(対  象)県内中小企業1,000社
(回答状況)419社
(回収率)41.9%
(調査時期)平成13年1月
(調査方法)郵送によるアンケート調査
2.初任給調査
 公共職業安定所(大学卒は平成12年10月1日現在での求人情報、
 高校卒については7月12日までに受けた求人表)に提出された
 求人票より1081件を抽出集計。



 労働力の過不足状況
 企業における現在の労働力の過不足状況について見ると、「過剰」とした企業は17.2%と前回調査(平成12年1月)と比べて2.0ポイント減少、前々回調査と比べると11.0ポイントの減少、一方「不足」とした企業は2.1ポイント増えて15.3%、前々回調査と比べると6.0ポイントの増加、前回よりさらに過剰感は薄らいでいるが、「適正」とする企業割合はほぼ同じであることから企業間でばらつきが出ている。(図−1)
 そこで、「過剰」「不足」と回答した企業に、現在の労働力を100%とした場合、どの程度の「過剰」または「不足」となっているかをたずねた。「過剰」と回答した企業では「5〜10%未満」が40.8%、「10〜20%未満」が33.8%と「5〜20%未満」で7割を超えている。また、20%以上の過剰と回答した企業は14.1%と前回調査より4.3ポイントの減少となっている。(図−2)
 一方、「不足」と回答した企業では「5〜10%未満」が37.5%、次いで「5%未満」が26.5%となっており、6割強の企業では10%未満となっている。全体的には過剰感が弱まる中で一部企業においては20%を超える労働力不足となっている企業もまだある。(図−3)

図1.2.3


 労働力の過不足部門
 労働力の「過剰」「不足」はどの部門で生じているのであろうか。「過剰」とした企業では「生産部門」が51.4%と最も多い。次いで「事務処理部門」、「管理部門」が30%台、「営業・販売部門」が20%台で続いている(図−4)。これを前回、前々回調査と比べると、「生産部門」で過剰感が徐々に弱まる一方で、「管理部門」「事務処理部門」での過剰感がやや強まっている。
 一方、「不足」とした企業の中で不足感の強い部門は「営業・販売部門」と「生産部門」、次いで「生産技術部門」となっている。(図−5)これを前回調査に比べると各部門とも少しずつ不足感が強まっている。中でも「管理部門」で不足とする割合の増加が目立ち、企業によって「管理部門」での過不足感に温度差が大きく出ている。

図4労働力が「過剰」となっている部門図5労働力が「不足」となっている部門